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高浸透圧ストレスで誘導される細胞内凝縮体とその物性

Biomolecular condensates associated with hyper osmotic stress and their physical properties
名黒 功,一條秀憲
Isao Naguro1)2)/Hidenori Ichijo3):Faculty of Pharmacy, Juntendo University1)/Graduate School of Pharmaceutical Sciences, The University of Tokyo2)/Advanced Research Institute, Tokyo Medical and Dental University3)(順天堂大学薬学部1)/東京大学大学院薬学系研究科2)/東京医科歯科大学高等研究院3)
10.18958/7529-00001-0001673-00

近年,さまざまな物理化学的ストレスが液−液相分離を介して細胞内に凝縮体(condensate)を誘導することが明らかになり,これまで謎に包まれていた細胞の環境感知システムの実体や病態との関連が明らかになりつつある.本稿で扱う高浸透圧ストレスは多様な細胞内分子を相分離させることから,ある意味“相分離誘導ツール”のようにも利用されている.一方,浸透圧で相分離が起こる生理的意義という観点も重要で,われわれの研究を含めて細胞の浸透圧適応における役割がわかってきた.また,同じ高浸透圧誘導性でも個々の凝縮体の物性には違いがみられ,機能や病態への関与が解析されつつある.

高浸透圧,凝縮体(condensate),凝集体(aggregate),ASK3,神経変性疾患,流動性

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