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炎症反射:迷走神経回路の人為的な刺激による過剰な免疫反応の抑制

Inflammatory reflex; Anti-inflammatory responses evoked by programmed stimulation of the vagus nerve
田中宏樹,村上 薫,李 承峰,児島裕一
Hiroki Tanaka1)/Kaoru Murakami1)/Chenhung Lee1)/Yuichi Kojima1)2):Division of Molecular Psychoneuroimmunology, Institute for Genetic Medicine, Hokkaido University1)/ Department of Respiratory Medicine, Faculty of Medicine, Hokkaido University2)(北海道大学遺伝子病制御研究所分子神経免疫学分野1)/北海道大学大学院医学研究院呼吸器内科学教室2)
10.18958/7539-00001-0001714-00

身体中に張り巡らされた神経系は,脳からの指令,さらに環境からの刺激に応じて,神経回路を活性化させることにより,免疫・炎症応答を含む体内の恒常性の維持に寄与する.神経回路の人為的な刺激によるニューロモデュレーション医療は多くの研究がなされてきたが,近年最も成功した事例は,迷走神経を経由する炎症反射の神経回路を標的とした免疫抑制法である.迷走神経刺激は,関節リウマチや炎症性腸疾患の患者に対して良好な治療効果を示し,新たな疾患治療法として期待されている.本稿では,炎症反射を標的としたニューロモデュレーションを用いた過剰な免疫反応の抑制と炎症性疾患治療の現状,そしてその臨床への展開の可能性を議論する.

炎症反射,ニューロモデュレーション,迷走神経刺激,炎症性疾患

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