スマホで読める実験医学
550円

ゲートウェイ反射による炎症誘導機構

A neuro-immune mechanism for inflammatory diseases regulated by gateway reflex
長谷部理絵,村上 薫,田中宏樹,山﨑剛士,村上正晃
Rie Hasebe1)/Kaoru Murakami2)/Hiroki Tanaka2)/Takeshi Yamasaki1)/Masaaki Murakami1)〜3):Division of Molecular Neuroimmunology, Department of Homeostatic Regulation, National Institute for Physiological Sciences1)/Division of Molecular Psychoneuroimmunology, Institute for Genetic Medicine, Hokkaido University2)/Quantum Immunology Team, Institute for Quantum Life Sciences, National Institute for Quantum and Radiological Science and Technology3)(生理学研究所生体機能調節研究領域分子神経免疫研究部門1)/北海道大学遺伝子病制御研究所分子神経免疫学分野2)/量子科学技術研究開発機構量子生命科学研究所量子免疫学研究チーム3)
10.18958/7539-00001-0001715-00

ゲートウェイ(G)反射の神経回路は,血管を局所的に変容させる神経回路で,血中の免疫細胞との連携により組織特異的炎症病態を誘導する.特に,血中自己反応性T細胞が増加している場合には,神経回路が投射する標的組織の特定血管部に神経伝達物質ノルアドレナリンが分泌され,血管内皮細胞で非免疫細胞の炎症誘導機構であるIL-6アンプが活性化,当該部位でのケモカイン濃度の上昇で血中免疫細胞が標的組織に浸潤し,炎症が起こる.G反射ではまた,この血管周囲の炎症部位で産生されたATPが別の神経回路を活性化し,特定の神経伝達物質依存性に投射先の臓器で炎症や組織機能不全を誘導する.

自己免疫疾患,組織特異的炎症病態,神経免疫連関,IL-6アンプ,ゲートウェイ反射

この記事は有料記事です

(残り約9,800文字)

  • 【スマホで読める実験医学】ゲートウェイ反射による炎症誘導機構
    550円