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生体イメージングの時空間情報がもたらす幹細胞生物学の新たな洞察

New insights into stem cell biology revealed by spatiotemporal information from live imaging
森田梨津子
Ritsuko Morita:Graduate School of Frontier Biosciences, Osaka University(大阪大学大学院生命機能研究科)
10.18958/7623-00001-0001791-00

幹細胞の自己複製と分化によって駆動される組織の発生,恒常性維持,再生過程は複雑でダイナミックな動的過程である.そのため,特定の時点を切り取って解析する従来の組織学的手法では,これらの過程の全体像を把握することは難しい.近年のライブイメージング技術の進展により,組織に維持されているさまざまな幹細胞を可視化し,その動態を時間経過とともに追跡することが可能になってきた.本稿では,生体イメージングを通じて得られた,幹細胞の制御機構や機能,発生起源に関して再考を促すような最近の知見を紹介し,今後のこの分野の展望について議論したい.

組織幹細胞,生体イメージング,細胞系譜解析,1細胞オミクス解析

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