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空腹神経と嗅覚

Hunger neurons and olfaction
堀尾奈央
Nao Horio:Department of Cell Biology, Harvard Medical School(ハーバード医科大学細胞生物学科)
10.18958/7175-00001-0000311-00

嗅覚は,味覚や内臓化学感覚とともに,食を通じて健康を維持するうえで不可欠の感覚である.そのうち,食べ物の匂いは,食べ物を食べ物だと識別し,正しい食行動を起こすためにとても重要な情報である.生体恒常性維持のため,生き物は空腹時には食べ物の匂いにより強く魅力を感じ,食べ物を求めようとする本能が備わっているはずである.近年われわれは,この空腹時の食べ物の匂い嗜好性増強は,脳内の空腹を司る神経回路によって制御されていることを明らかにした(Horio and Liberles, Nature, 2021).嗅覚という外界からの化学感覚が,空腹という体内環境にどう制御されているのかを議論したい.

空腹神経,嗅覚,味覚,化学感覚,脳

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