スマホで読める実験医学
550円

睡眠恒常性の制御機構

The regulatory mechanisms for sleep homeostasis
北園智弘,西田 彗,十一元軌,柳沢正史
Tomohiro Kitazono1)/Kei Nishida1)/Motoki Juichi1)/Masashi Yanagisawa1)〜3):International Institute for Integrative Sleep Medicine, University of Tsukuba1)/Southwestern Medical Center, University of Texas2)/R&D Center for Frontiers of MIRAI in Policy and Technology(F-MIRAI)3)(筑波大学国際統合睡眠医科学研究機1)/テキサス大学サウスウエスタン医学センター2)/筑波大学未来社会工学開発研究センター3)
10.18958/7175-00001-0000316-00

夜ふかしや徹夜などで睡眠不足になったとき,私たちは翌日にこれを埋め合わせるように普段よりも長い時間睡眠をとる.これは生物が1日の睡眠量を一定に保とうとする睡眠恒常性の機構をもつからである.近年の研究から,この睡眠恒常性は脳の幅広い領域で制御されていることが明らかになってきている.また,アデノシンやスキャフォールドタンパク質Homer1a,そして,私たちが発見したセリンスレオニンキナーゼSIK3など,多くの分子が睡眠恒常性の分子レベルでの制御機構に関与していることも見出されてきている.

睡眠要求,2-プロセスモデル,シナプス恒常性仮説,アデノシン,SIK3

この記事は有料記事です

(残り約8,700文字)

  • 【スマホで読める実験医学】睡眠恒常性の制御機構
    550円