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配偶子形成を経ない体細胞クローンの解析から見えてくる経世代エピゲノムの重要性

The biological significance of transgenerational epigenome revealed by the analysis of somatic cell nuclear transfer embryos that do not undergo gametogenesis
的場章悟,小倉淳郎
Shogo Matoba1)2)/Atsuo Ogura1)3):Bioresource Research Center, RIKEN1)/Tokyo University of Agriculture and Technology2)/University of Tsukuba3)(理化学研究所バイオリソース研究センター1)/東京農工大学2)/筑波大学3)
10.18958/6757-00001-0000711-00

哺乳類体細胞核を卵子に移植することで元の体細胞と同じゲノム情報をもつクローン胚をつくることができるが,その大半は発生途上で停止し,胎盤にも異常が生じる.これは,正常な受精では配偶子型エピゲノムが世代を越えて胚へと伝達されるのに対し,クローン胚では体細胞型のエピゲノムを受け継ぐことが原因と考えられてきた.最近のトランスクリプトーム・エピゲノム研究から,特にヒストン修飾の伝達異常がクローンでみられる表現型の大きな原因であることが明らかになってきた.本稿では配偶子形成を経ないクローン胚の解析から見えてきた経世代エピゲノムの重要性を概説する.

体細胞クローン,胎盤過形成,H3K9me3,H3K27me3,非典型インプリンティング

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