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神経筋接合部の老化

Aging of the neuromuscular junction
西宗裕史,Yomna Badawi
Hiroshi Nishimune1)/Yomna Badawi2):Neurobiology of Aging, Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology1)/Department of Anatomy and Cell Biology, University of Kansas School of Medicine2)(東京都健康長寿医療センター研究所,老化神経生物学1)/カンザス大学医学部,解剖細胞生物学科2)
10.18958/6647-00001-0000982-00

運動神経は骨格筋との間に神経筋接合部(neuromuscular junction,NMJ)とよばれるシナプスを形成し,情報を伝達することで人体の動きを司る.ヒトの神経筋接合部では,老化の影響を受け機能低下や構造学的変化がみられる.この神経筋接合部は神経伝達物質アセチルコリンを放出することで情報伝達する化学シナプスであり,そのメカニズムは多くの脊椎動物の神経筋接合部で共通に用いられている.本稿ではヒトや動物モデルから得られた神経筋接合部でみられる老化変性の知見について解説する.最後に,老化による神経筋接合部機能低下やサルコペニアを改善する可能性のある方法を紹介する.

老化変性,シナプス,運動神経細胞,筋細胞,運動療法

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