せん妄診療実践マニュアル 改訂新版

  • 井上真一郎/著
  • 2022年09月28日発行
  • B6変型判
  • 278ページ
  • ISBN 978-4-7581-2395-2
  • 3,850(本体3,500円+税)
  • 在庫:あり
本書を一部お読みいただけます

せん妄の薬物療法においては,内服が可能であれば,原則として内服薬を用います.

まず,興奮が少ない過活動型せん妄(ベッド上ゴソゴソ程度)では,トラゾドンが有用です.トラゾドンは,抗うつ薬ですが抗うつ作用や抗コリン作用が弱く,適度な鎮静作用をもつため,興奮の少ないせん妄に対して用いられます.また,半減期が短く,翌朝への持ち越しが少ないのもメリットです.…

続きを読む
PDFダウンロード

せん妄診療の定番書が,「ハイリスク患者ケア加算」に合わせて内容を刷新!現場に即した診療フローと豊富な図表を用いた解説で,効果的・効率的なせん妄対策のために「いま,何をすべきか?」がすぐわかる!

目次

改訂にあたって

はじめに(初版の序)

基礎編

せん妄対策の基礎知識

①せん妄対策とは
②「せん妄」とは
③「せん妄の3 因子」について
④「3 因子」で考えるせん妄Q&A
⑤せん妄対策は「リスクの引き算」と考える
実践編

1章 せん妄に対する予防的介入

STEP1 せん妄のリスク因子の有無を確認する

①高齢(70 歳以上)
②脳器質的障害(脳梗塞,脳出血,脳腫瘍,頭部外傷など)
③認知症
④アルコール多飲
⑤せん妄の既往
⑥リスクとなる薬剤(特にベンゾジアゼピン受容体作動薬)の使用
⑦全身麻酔を要する手術後またはその予定があること

STEP2 せん妄の予防対策を行う

①パンフレットや動画を用いて患者および家族にせん妄の説明を行う
②せん妄ハイリスクを考慮した不眠時・不穏時指示を出しておく
③内服中のせん妄ハイリスク薬(特にBZ 受容体作動薬)を減量・中止し,新たにせん妄ハイリスク薬を入れない
④せん妄予防のための身体管理や環境調整を行う

STEP3 せん妄の早期発見につとめる

①ツールを用いてせん妄の早期発見を行う
②臨床的な評価でせん妄の早期発見を行う
③他疾患との鑑別を行う

2章 せん妄に対する治療的介入

STEP4−① 原因療法

①身体疾患の精査・治療,原因薬剤の中止
②特に注意すべき直接因子
③低活動型せん妄

STEP4−② 薬物療法

①薬剤を選択する
②用量を決める
③投与時間を決める
④評価する
⑤処方内容を再調整する

STEP4−③ 非薬物療法

①意識障害・注意障害を考慮した対応
②急性発症・日内変動を考慮した対応
③記憶障害・見当識障害・視空間認知障害・幻覚を考慮した対応
④睡眠・覚醒リズム障害を考慮した対応
⑤感情の障害を考慮した対応
⑥その他

せん妄への対応のメリット・デメリットを考える

①対応のメリット・デメリット
②身体拘束の実状
応用編

1章 術後せん妄(ICU におけるせん妄)

はじめに

STEP1 せん妄のリスク因子の有無を確認する

①術後せん妄の既往の有無を確認

STEP2 せん妄の予防対策を行う

②術後に薬が内服できない場合の薬剤指示
③術後を想定したケア

STEP3 せん妄の早期発見につとめる

④CAM-ICU またはICDSC を用いた評価

STEP4 せん妄の治療を行う

⑤ICUではDEXを中心とした薬物療法
⑥複数重なる促進因子を除去

術後の注意点

2章 アルコール離脱せん妄

はじめに

STEP1 せん妄のリスク因子の有無を確認する

①アルコール依存症(可能性含む)の有無を確認

【アルコール依存症がほぼ確実の場合】

STEP2 せん妄の予防対策を行う

②ベンゾジアゼピン受容体作動薬の予防投与
③ビタミンの補充

STEP3 せん妄の早期発見につとめる

④小離脱の評価

STEP4 せん妄の治療を行う

⑤ベンゾジアゼピン受容体作動薬を中心とした薬物療法

【アルコール依存症の可能性がある場合】

STEP2 せん妄の予防対策を行う

②小離脱が出現した場合の薬剤指示
③ビタミンの補充

STEP3 せん妄の早期発見につとめる

④小離脱の評価

STEP4 せん妄の治療を行う

⑤ベンゾジアゼピン受容体作動薬を中心とした薬物療法

アルコール依存症の治療

3章 緩和医療におけるせん妄

はじめに

STEP1 せん妄のリスク因子の有無を確認する

①身体的重症度が高い場合は「せん妄ハイリスク」

STEP2 せん妄の予防対策を行う

②痛みに対するケア

STEP3 せん妄の早期発見につとめる

③低活動型せん妄の評価

STEP4 せん妄の治療を行う

④直接因子を用いてせん妄の治療可能性を評価
⑤-1 可逆性せん妄へのアプローチ
⑤-2 不可逆性せん妄へのアプローチ

巻末資料

せん妄ハイリスク患者ケア加算に係るチェックリスト/Confusion Assessment Method (CAM)/Delirium Screening Tool (DST)/Confusion Assessment Method in the ICU (CAM-ICU)/Intensive Care Delirium Screening Checklist (ICDSC)/

資料リスト

薬剤リスト

索引

column

* せん妄のデメリットとは
* ベンゾジアゼピン系薬剤と非ベンゾジアゼピン系薬剤について
* レビー小体型認知症について
* EPS(Extra-Pyramidal Symptoms:錐体外路症状)とは
* せん妄の患者さんに服薬を拒否された場合
* せん妄に関するカンファレンスのヒント
* 岡山大学病院せん妄対策チームの取り組み
* 「がん患者におけるせん妄ガイドライン2022年版」について
書評・感想
  • 書評 厚坊浩史(がん研有明病院 主任公認心理師)

    お世話になってばかりの井上真一郎先生より本書の書評のご依頼を頂戴した.筆者は非医師であるため,その視点から書評を行ってみたい.

    筆者は公認心理師であり,総合病院精神科勤務経験が17年,そのほとんどの期間をチーム医療の一員として業務を行ってきた. …

    続きを読む

購入方法・送料について

本書は全国の羊土社取扱書店にてご購入いただけます.店頭にて見当たらない場合は,下記情報を書店にお伝え下さい.

  • 【本書名】せん妄診療実践マニュアル 改訂新版
  • 【出版社名】羊土社

お近くに取扱書店が無い場合,特に海外でご覧になりたい場合,羊土社HPでのご注文および発送も承っておりますので,下記ご参照のうえ,注文をご検討ください.

羊土社HPでのご注文について

本書を羊土社HPにてご購入いただきますと,本体価格に加えて,送付先・お支払い方法などにより下記の費用がかかります.お手続き等詳細は書籍購入案内のページをご参照ください.

分類 項目 費用
国内 消費税 +350円
送料 +500円
手数料(代引きのみ) +300円
海外 航空便送料 第1地帯(アジア、グアム、ミッドウェイ等) +470円
第2地帯(オセアニア、中近東、北米、中米) +600円
第2地帯(ヨーロッパ) +600円
第3地帯(アフリカ、南米) +770円
EMS便送料 第1地帯(アジア、グアム、ミッドウェイ等) +1400円
第2地帯(オセアニア、中近東、北米、中米) +2000円
第2地帯(ヨーロッパ) +2200円
第3地帯(アフリカ、南米) +2400円

※この表は本書のみご購入いただいた場合の費用をまとめたものです.他の書籍を同時に購入する場合はお申し込み金額や重量により費用が異なってまいりますのでご注意ください.

海外でご活躍中の皆さまへ 書籍のご購入方法,電子書籍,そのほか役立つ情報をご案内します

法人向け 購入のお問い合わせ

法人での書籍の一括購入につきまして,「見積書や請求書払い」「複数の発送先への対応」「研修用などで使用する書籍の選定についてのアドバイス」等、下記フォームよりお気軽にお問い合わせください。

こちらの書籍もお勧めいたします

  • 9784758127271
  • 9784758127264
  • 9784758124225
  • 9784758124201
  • 9784758127165
  • 9784758104180
  • 9784758123600

全国書店にて販売中

オンライン書店で購入する

電子版を購入する

サイドメニュー開く