第3回 さあ,書きはじめよう! 研究課題名と研究目的
ともかく,前述の通り審査の時間に制限がある以上,申請書の最初のページ「研究目的」の部分がすべてを決めるので,この部分を全力で書くこと.しかも1ページ目の,最初の数行orパラグラフで決まると言ってもいいだろう.最初の部分で,何を研究するのかを審査員に十分に理解させ,その後の部分を読んでもらえるようにしなければならない.
そのためには,最初に研究目的や研究項目を箇条書きなどで簡潔に書いておくことをお勧めする.最初に全体の構想や内容のサマリーを書いておくと断然審査員に理解してもらいやすい.冒頭にサマリーがあるかないかは,審査員が目的地までの地図を与えられて車を運転するか,地図なしで知らない土地を運転するか,ぐらいの違いがある (図1).
実は平成20年度の申請書から研究目的の欄は次のようになっている.
「本欄には,研究の全体構想及びその中での本研究の具体的な目的について,冒頭にその要旨を記述した上で,適宜文献を引用しつつ記述し,特に次の点については,焦点を絞り,具体的かつ明確に記述してください……」
読んでおわかりの通り,「冒頭にその要旨を記述」とちゃんと書いてある.でも意外に申請書の記述を読んでいないのか,あっさりと本文から開始している申請書がまだまだ多い.
※データ・年次などは連載当時のものです.現在とは異なる場合があります
児島将康/著
定価 3,800円+税, 2015年8月発行