Vol.5 不定詞・動名詞・現在分詞の使い分けをマスターしよう! No.2 動名詞と現在分詞はどう違う? [超基本の英文法-英語の語順に親しむ]

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Vol.5 不定詞・動名詞・現在分詞の使い分けをマスターしよう!

No.2 動名詞と現在分詞はどう違う?

動名詞と現在分詞の違いはこうだ.動名詞は名詞句を作るために,現在分詞は形容詞句や副詞句(分詞構文)を作るために使われる.この区別は簡単なはずだが,かなり意識していないと混乱することになるので注意しよう.

i) 動名詞の使い方(名詞句)

動名詞で始まる名詞句は,名詞相当の働きをするものとして,主語例文29)や句の構成要素例文37)などに用いられる.

<例文29|動名詞:主語を作る>

Determining the contribution of the new drug requires a randomized trial.

新薬の貢献度を決定することは,ランダム化された治験を必要とする)

<例文37|動名詞:前置詞句の構成要素を作る>

These results suggest this is a valuable model for elucidating the mechanism of prion conversion.

(これらの結果は,これがプリオン変換の機構を解明するための価値のあるモデルであることを示唆する)

上の<例文37>の場合,for elucidating the mechanism of prion conversionを前の名詞を修飾する形容詞句と考えていいであろう.

ii) 現在分詞の使い方①(形容詞句)

現在分詞で始まる形容詞句は,後ろから名詞を修飾する例文38).

<例文38|形容詞句を作る現在分詞>

Mice lacking one of these receptors are indistinguishable from their wild-type littermates.

これらの受容体のひとつを欠いているマウスは,野生型の同腹仔と区別できない)

形容詞句を導く現在分詞としてよく使われるものに,expressing, lacking, encoding, involving, underlying, usingなどがある.

iii) 現在分詞の使い方②(副詞句:分詞構文)

現在分詞で始まる副詞句は,主に分詞構文として使われる.論文で使われる分詞構文の用法には,理由条件結果例文39),付帯状況例文40)などがある.

<例文39|分詞構文:結果>

Mutation of the CDK phosphorylation site increased Smad activity, leading to higher expression of the CDK inhibitor.

(サイクリン依存性キナーゼのリン酸化部位の変異はSmadの活性を増大させ,そのことはサイクリン依存性キナーゼ阻害因子のより高い発現につながった

<例文40|分詞構文:付帯状況>

Depending on the dose administered, cystic fibrosis mice exhibited significantly higher mortality rates, compared to wild-type mice.

投与された用量に依存して,野生型マウスと比較して嚢胞性線維症マウスは有意により高い死亡率を示した)

現在分詞は,結果の意味では文末それ以外はイントロで使われるので,そこにも注目しよう.

<ここがポイント>

  • 動名詞は名詞句を作る.
  • 現在分詞はそれ以外(形容詞句や副詞句)に使われる.

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プロフィール

河本 健(Takeshi Kawamoto)
広島大学大学院医歯薬学総合研究科助教.広島大学歯学部卒業,大阪大学大学院医学研究科博士課程修了,医学博士.高知医科大学助手,広島大学助手,講師などを経て現職.専門は,口腔生化学・分子生物学.概日時計の分子機構,間葉系幹細胞の再生医療への応用などを研究している.大学院生対象の論文英語の講義も担当している.
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