メラトニンは網膜への光刺激が遮断されることにより松果体から分泌され,体内時計を調節するホルモンである.少し意外なことにこのメラトニンの受容体遺伝子,メラトニン受容体1B(MTNR1B)近傍のSNP(single nucleotide polymorphism)である,rs1387153とrs10830963は,GWAS(genome wide association study)にて2型糖尿病疾患感受性遺伝子であることが指摘されている(Prokopenko I, et al:Nat Genet, 41:77-81, 2009/Bouatia-Naji N, et al:Nat Genet, 41:89-94, 2009).しかしながら,これまでの研究ではMTNR1BのG24E変異では体重増加傾向となるものの空腹時血糖は低下することが報告され,メラトニン受容体が糖代謝に与えるメカニズムは不明であった(Andersson EA, et al:Diabetes, 59:1539-1548, 2010).
今回,MTNR1B近傍のSNP rs10830963は受容体発現を増加させ, .....