「親はなくとも子は育つ」仮に実の親がいなくても,子どもは周囲の温かな人とのふれあいにより自分自身で健全に成長するものであるということわざである.このことわざを想起させる研究成果が発表された.(Deglincerti A, et al:Nature, 533:251-254, 2016)によると,どうやらヒトの胚は環境さえ整えてあげれば,着床直後(受精後1週間程度)ですでに母親(胎盤)の助けがなくても,胚自身の力である程度までは正常に発生するらしい.
ヒト胚(特に着床後)の解析は倫理的に難易度が高く謎が多い.そこで筆者らは, .....