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トピックス

巻き込まれ欠損によって出現した“アキレス腱”は新たな治療標的になる?

金沢大学がん進展制御研究所 河野 晋

9番染色体q21にコードされているCDKN2A(p16)は,神経膠芽腫やすい臓がんなどの多くの固形がんにおいて,最も高頻度にホモ欠損するがん抑制遺伝子である.CDKN2Aの近傍には,メチルチオアデノシンホスホリラーゼ(MTAP)がコードされているため,このMTAPも同時に「巻き込まれて」ホモ欠損することが古くから報告されていた.MTAPは,メチオニン代謝物であるS-アデノシルメチオニン(SAM)がポリアミン合成に利用される際に産生されるメチルチオアデノシン(MTA)の分解によるメチオニンサルベージ経路を担う.一方で,SAMは,生体内のメチル化反応に利用された後,ホモシステインに代謝され,葉酸代謝から供与されるメチル基が付与されてメチオニンに再びリサイクルされる(メチオニン回路).

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2016年10月号掲載

本記事の掲載号

実験医学 2016年10月号 Vol.34 No.16
ゲノムデータをどう扱えば、医学と医療は変わるのか
遺伝統計学の力と創薬・個別化医療

岡田随象/企画
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