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トピックス

視床下部の体温中枢で温度センサーとしてはたらくタンパク質

東京大学大学院農学生命科学研究科 宮道和成

乳類において深部体温は,外界の気温の変化にかかわらず37℃前後の非常に狭い範囲に維持されている.体温の恒常性はどのように維持されているのだろうか.脳における体温制御の中枢は,古典的な研究から視床下部の視索前野に存在すると考えられている.視索前野は末梢で感知された温度の情報を集約するのみならず,自ら温度感受性のニューロンを備えている.この温度感受性ニューロンが体温上昇を検知すると,体温を低下させるためのさまざまな反応が引き起こされる.しかし,この体温制御中枢における温度センサーの分子的実体は長年の謎だった.またこの中枢のニューロンを遺伝学的に操作するためのマーカー遺伝子が知られていなかったため,さまざまな体温調整の機構がどのような神経回路や神経内分泌によって引き起こされているのかもよくわかっていない.最近,これらの問題のブレイクスルーとなる論文が報告された.

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2017年3月号掲載

本記事の掲載号

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実験医学 2017年3月号 Vol.35 No.4
がん免疫療法×ゲノミクスで変わるがん治療!
バイオマーカーの確立、治療抵抗性機構の解明による個別化がん免疫療法へ

柴田龍弘/企画
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