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ミトコンドリア「マジック」で細胞質の凝集タンパク質を処分する

東京工業大学・科学技術創成研究院 田口英樹

トコンドリアが単なるATP合成のためのオルガネラではなく,アポトーシスの引き金,種々の神経変性疾患への関与,最近では小胞体との接触などさまざまな生命現象にかかわっているのは本誌の読者ならよくご存知であろう.ミトコンドリアは独自のゲノムをもってはいるが,ミトコンドリア内タンパク質のほとんどは細胞質で翻訳されたタンパク質がミトコンドリア膜のトランスロケーター(TOM・TIM複合体)を通って運ばれてくる.最近,多機能オルガネラであるミトコンドリアの新たな機能が報告された.出芽酵母の細胞質内の熱変性によるタンパク質凝集体がトランスロケーターを介してミトコンドリア内に運び込まれ,さらには除去されるというのだ(Ruan L, et al:Nature, 543:443-446, 2017).

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2017年6月号掲載

本記事の掲載号

実験医学 2017年6月号 Vol.35 No.9
糖鎖がついにわかる!狙える!
診断薬・治療薬イノベーションを導く生命鎖

植田幸嗣,久野 敦/企画
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