昔から酵母には染色体由来の環状DNA(extrachromosomal circular DNA,eccDNA)が存在することが知られており,それらの蓄積と細胞老化との関連が議論されてきた.さらに近年は,がん細胞でもそのような環状DNAが存在しており,細胞がん化に寄与していることが示唆されている.コペンハーゲン大学のRegenbergらは,これまで酵母,鳩やヒトの正常細胞にも環状DNAが存在しており,染色体のさまざまな領域からそれらが生じていることを報告してきた.同グループによる今回の論文は,ヒトの精子サンプルにも環状DNAが存在しており,それらは減数分裂時の相同組換えで生じた可能性を議論している(Henriksen RA, et al:Mol Cell, 82:209-217, 2022).
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DOI:10.18958/7011-00004-0000157-00