Nature Method誌は2022年のMethod of the Yearにlong-read sequencingを選出した1).周知のように,Pacific Biosciences社のSMRT(Single Molecule Real-Time)sequencingでは20 kb以上の長鎖を99.9%精度で解析し,Oxford Nanopore Technologies社のnanopore sequencingでは,100 kb程度を99%精度で解析できる.この長鎖解析技術により,ギャップのないヒトゲノムの完全長解析が実現した2).しかし,long-read sequencing技術は,まだエラーが多いという問題があり,short-read sequencingによる解析とのHybridで解析が行われている.short-read sequencingの市場をほぼ独占してきたのが,Illumina社である.Illumina社は,群雄割拠したNGS戦国時代を勝ち抜き統一した勝者であり,1000ドルゲノムを実現し,現在のゲノム解析のコストは600ドルまで下がっている.Illumina社によるゲノム解析の支配に抵抗してきたのがlong-read sequencingの2社であるが,short-read sequencingでも挑戦者が現れて来ている3).
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DOI:10.18958/7223-00004-0000411-00