アレルギーや炎症を引き起こすエフェクター細胞としてのマスト細胞の働きについては広く知られており,アレルギー症状の抑制にマスト細胞から放出されるヒスタミンやロイコトリエンの拮抗薬が用いられている.世界で約40%の人が何らかのアレルギーを罹患しているにもかかわらず,マスト細胞がIgEを介して抗原特異的に活性化をすることがわれわれの体にとって何のために必要なのか,という本質的な意義についてはほどんど触れられてこなかった.
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DOI:10.18958/7335-00004-0000607-00