がん組織内に浸潤する好中球(tumor-infiltrating neutrophils,TINs)ががん免疫の観点から新たな注目を集めている.TINsはがんの悪性度や転移性,さらにはがん免疫療法の成否にも関与することが示唆されていたが,がん組織という特殊な微小環境に潜んでいるTINsの素性や,その機能については不明な点が多かった.Zhaoら(Zhao Y, et al:Cell Metab, 35:1688-1703.e10, 2023)は乳がん組織やその転移がん組織,Maasら(Maas RR, et al:Cell, 186:4546-4566.e27, 2023)は悪性脳腫瘍組織に存在するTINsについてシングルセル解析を含めて詳細に調べ,血液中に存在する好中球とは大きく異なるその特性などを明らかにした.
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DOI:10.18958/7405-00004-0001122-00