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中国の毛皮動物を対象としたバイローム解析―「次のパンデミック」を見据えて

東京大学医科学研究所 西村瑠佳

イルスが哺乳類や鳥類などからヒトにスピルオーバー(異種間伝播)することによって,新興感染症や世界的なパンデミックが引き起こされる.例えば,2019年より世界的なパンデミックを引き起こしているSARS-CoV-2はコウモリが宿主だと推定されている.野生の哺乳類や鳥類はヒトで感染症を引き起こしうる多様なウイルスを保有していると考えられているため,これらの動物の体内のウイルスを網羅的に調査し,ヒトへのスピルオーバーを引き起こしうるウイルスを同定することは非常に重要である.このようにウイルスを網羅的に探索する解析はバイローム解析とよばれ,検体中に存在するDNAやRNAを次世代シークエンサーで配列解読し,相同性配列検索などのバイオインフォマティクス解析を実施することでウイルスを探索する

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DOI:10.18958/7623-00004-0001810-00

2024年12月号掲載

本記事の掲載号

実験医学 2024年12月号 Vol.42 No.19
AIで識別してオミクスで理解する 生体イメージング
複雑すぎる生命機能と疾患の全容をどう解くか

菊田順一/企画
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