めまぐるしく新薬が登場し,次々に臨床試験の結果が発表される情報の洪水の時代だが,少し醒めた目で世の中の動向をみる必要もあるだろう.前述のステロイドの例でも4年間で診療ガイドラインが変更になったわけであるし,最初の臨床試験の結果が追試で示されないことも数多い.期待されて登場した新薬に予期せぬ副作用が続出することもある.やや時代遅れとなるかもしれないが,数年経ても動揺しないエビデンスを吟味して日常診療に取り入れていく慎重な態度も必要だろう. 今回の特集ではこうした「最新」の情報ではなく,いつの時代でも当てはまるような基本的な薬の使い方をおさえるような記事が並んでいる.特に今回は,副作用のリスクが一般の成人患者と異なるため処方の際には特に注意が必要な妊婦・授乳婦,腎不全や肝不全患者,高齢者,小児への薬の使い方の実際,さらに,慢性疾患を複数抱えていて多剤処方が不可避な状況の患者での相互作用のリスクとその対応について解説した. 処方箋を書くだけでは不完全だ.きちんと飲んでもらえるような工夫や説明,薬剤師との協力が不可欠だ.それから,必要のないのに薬を欲しがる患者や,服薬した方がよいのに薬を嫌がる患者など日常でよくお目にかかるのではないだろうか.薬を出す勇気と,出さない勇気をうまく使い分けられるようになりたいものだ.本特集がその一助となれば幸いである.
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妊婦,高齢者,腎・肝機能障害など,誰もが処方に悩む注意すべき患者さんへの薬の使い方を解説.考え方や実際の処方も紹介しているから,理解しやすく,実践的!薬物有害事象を起こさないために必読の1冊です.
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