「common disease」というと,高血圧(国民の5割弱),糖尿病(国民の1割以上),などが念頭にあがります.一方,「34万4,000人」,この数字は心疾患(17万9,000人),脳血管疾患(12万1,000人)をはるかに超える,悪性新生物の年間死亡者数です.平成21年の人口動態統計によれば,総死亡数は114万4,000人とされており,国民の3割ががんという病名で亡くなる時代が到来しています. 実際,がんの専門施設でなくとも,病棟には少なからずがんと診断され治療を行っている患者さんが入院しています.感冒,高血圧,糖尿病といった疾患が一般人口での頻度の通りに訪れる外来診療とは異なり,入院診療ではそれらの疾患は影をひそめ,むしろがんを「common disease」として意識せざるを得ない状況になっています. 今回の特集では,国立がん研究センターで日夜がん患者の診療にあたっている医師を執筆陣に迎えました.まずはがん診療の基本ともなる患者とのコミュニケーションや疼痛緩和,そして抗がん剤の作用機序について学びます.そのうえで各論では,各種のがんについて治療の全体像(病期分類,標準治療,治療成績,予後)をつかむことができるように解説しました.これまで臨床腫瘍学をまとまって勉強する機会に恵まれなかった方,あるいは,入院の際に担当するだけでは患者さんの治療経過全体がつかみにくいと思っている方,まずは今回の特集を一読してみてください.読み終えるころには,病棟で担当するひとりひとりのがん患者さんの診療に必要な「コモン・センス」が身についているはずです.そして,がん診療の魅力を感じてさらに勉強したいと思われたら,専門病院での研修に挑戦してみてください.
「common disease」というと,高血圧(国民の5割弱),糖尿病(国民の1割以上),などが念頭にあがります.一方,「34万4,000人」,この数字は心疾患(17万9,000人),脳血管疾患(12万1,000人)をはるかに超える,悪性新生物の年間死亡者数です.平成21年の人口動態統計によれば,総死亡数は114万4,000人とされており,国民の3割ががんという病名で亡くなる時代が到来しています.
実際,がんの専門施設でなくとも,病棟には少なからずがんと診断され治療を行っている患者さんが入院しています.感冒,高血圧,糖尿病といった疾患が一般人口での頻度の通りに訪れる外来診療とは異なり,入院診療ではそれらの疾患は影をひそめ,むしろがんを「common disease」として意識せざるを得ない状況になっています.
今回の特集では,国立がん研究センターで日夜がん患者の診療にあたっている医師を執筆陣に迎えました.まずはがん診療の基本ともなる患者とのコミュニケーションや疼痛緩和,そして抗がん剤の作用機序について学びます.そのうえで各論では,各種のがんについて治療の全体像(病期分類,標準治療,治療成績,予後)をつかむことができるように解説しました.これまで臨床腫瘍学をまとまって勉強する機会に恵まれなかった方,あるいは,入院の際に担当するだけでは患者さんの治療経過全体がつかみにくいと思っている方,まずは今回の特集を一読してみてください.読み終えるころには,病棟で担当するひとりひとりのがん患者さんの診療に必要な「コモン・センス」が身についているはずです.そして,がん診療の魅力を感じてさらに勉強したいと思われたら,専門病院での研修に挑戦してみてください.
各がん種の標準的な治療戦略と経過に加え,患者・家族とのコミュニケーションや痛みへの対応,抗がん剤の作用機序についても丁寧に解説.複雑で難しいと考えられがちな“がん診療”の全体像がつかめる内容です!
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