血液ガス分析の意義は,呼吸状態とともに体液の酸塩基平衡に関連する代謝性要因の状態を把握することができることです.しかし,血液ガス分析を臨床で活かすには,このような漠然とした表現ではあまりピンときません.臨床において血液ガス分析を行う第一の意義は,結果を的確に解読すると病態の把握が可能となり,鑑別疾患を絞り込める,ときにはピンポイントに診断できるという点にあります.さらに,重症度の把握や治療効果の判定にも有用です.すなわち,次なる臨床でのアクションに直接結びつくという点です. (中略) もう1つ重要な点は,どのような状況・タイミングで検査をしなくてはいけないか,という判断力を身につけることです.例えば,しばしば測定される電解質では,Na-Clを常に計算し,その値が36から大きく外れているときには血液ガス分析を行う,などということです.検査を行うべき状況のヒントは本特集にちりばめられています.また,検査を侵襲の高い動脈血で行わなくてはならないか,採血の容易な静脈血で代用可能かの判断も大切です. 血液ガス検査時にもう1つ行っていただきたいことは,結果を見てあわてて対応するのではなく,得られている臨床情報から結果を予測し,その確認として検査をするように心掛けることです.本特集にもしばしば記載されていますが,正しい診断に最も大切なことは,的確な病歴聴取と身体診察です.これらの情報に一般的検査結果が加われば,多くの場合で病態を把握でき,異常の有無や程度がわかります.加えて酸塩基平衡異常の基礎をだいたい理解しておくと予測の正確度が上がります.毎回予想して,だんだんと当たるようになってきたら,あなたも血液ガスの達人です.
血液ガス分析の意義は,呼吸状態とともに体液の酸塩基平衡に関連する代謝性要因の状態を把握することができることです.しかし,血液ガス分析を臨床で活かすには,このような漠然とした表現ではあまりピンときません.臨床において血液ガス分析を行う第一の意義は,結果を的確に解読すると病態の把握が可能となり,鑑別疾患を絞り込める,ときにはピンポイントに診断できるという点にあります.さらに,重症度の把握や治療効果の判定にも有用です.すなわち,次なる臨床でのアクションに直接結びつくという点です.
(中略)
もう1つ重要な点は,どのような状況・タイミングで検査をしなくてはいけないか,という判断力を身につけることです.例えば,しばしば測定される電解質では,Na-Clを常に計算し,その値が36から大きく外れているときには血液ガス分析を行う,などということです.検査を行うべき状況のヒントは本特集にちりばめられています.また,検査を侵襲の高い動脈血で行わなくてはならないか,採血の容易な静脈血で代用可能かの判断も大切です.
血液ガス検査時にもう1つ行っていただきたいことは,結果を見てあわてて対応するのではなく,得られている臨床情報から結果を予測し,その確認として検査をするように心掛けることです.本特集にもしばしば記載されていますが,正しい診断に最も大切なことは,的確な病歴聴取と身体診察です.これらの情報に一般的検査結果が加われば,多くの場合で病態を把握でき,異常の有無や程度がわかります.加えて酸塩基平衡異常の基礎をだいたい理解しておくと予測の正確度が上がります.毎回予想して,だんだんと当たるようになってきたら,あなたも血液ガスの達人です.
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