「患者を診ずに本だけで勉強するのは,全く航海に出ないに等しいと言えるが,半面,本を読まずに疾病の現象を学ぶのは,海図をもたずに航海するのに等しい.」この言葉は約100年前,臨床教育の先駆者であるWilliam Oslarが残した言葉です. (中略) 現在は聴診器を使わない医療が広がりつつあるという懸念が生まれ,全く海図とは違う世界になってしまっているのではないかと感じるのです. 今私は,現代の医療現場に合った新しい海図が必要ではないかと思っています.「医療費の削減のために」といった小さな目的ではなく,患者さんの命と患者さんの安心を守るために必要な身体診察の技術を学び,緊急で必要な検査はこれまでどおり実施し,不要な検査は行わない.これが新しい海図のスローガンです. 本特集の最大のねらいは臨床医(特に研修医)に必要不可欠な身体診察の修得と「文化」の構築です. (中略) 前半は総論として,バイタルサインと身体診察,そして身体診察には欠かせない病歴聴取というテーマを扱います.医学生時代にOSCE(客観的臨床能力試験)だけでは学べなかった,実践で活かすための身体診察の内容になっています. 後半は,臨床に立って最初につまずきやすい身体診察の落とし穴を,症例を交えて解説します.それぞれの項目で,エビデンスだけでは判断が難しい身体診察の「本音」が書かれていることでしょう.
「患者を診ずに本だけで勉強するのは,全く航海に出ないに等しいと言えるが,半面,本を読まずに疾病の現象を学ぶのは,海図をもたずに航海するのに等しい.」この言葉は約100年前,臨床教育の先駆者であるWilliam Oslarが残した言葉です.
(中略)
今私は,現代の医療現場に合った新しい海図が必要ではないかと思っています.「医療費の削減のために」といった小さな目的ではなく,患者さんの命と患者さんの安心を守るために必要な身体診察の技術を学び,緊急で必要な検査はこれまでどおり実施し,不要な検査は行わない.これが新しい海図のスローガンです.
本特集の最大のねらいは臨床医(特に研修医)に必要不可欠な身体診察の修得と「文化」の構築です.
前半は総論として,バイタルサインと身体診察,そして身体診察には欠かせない病歴聴取というテーマを扱います.医学生時代にOSCE(客観的臨床能力試験)だけでは学べなかった,実践で活かすための身体診察の内容になっています.
後半は,臨床に立って最初につまずきやすい身体診察の落とし穴を,症例を交えて解説します.それぞれの項目で,エビデンスだけでは判断が難しい身体診察の「本音」が書かれていることでしょう.
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