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訪問診療では検査機器や中央材料室物品(中材物品)を使用することが多いと思います.管理なしには診療は回らず,各施設で工夫がなされていると思います.本項では豊田地域医療センター(以下,当院)でどのように検査機器・物品管理を行っているかを紹介します.… 溝江 篤(藤田医科大学/豊田地域医療センター 総合診療科) 続きを読む
訪問診療では検査機器や中央材料室物品(中材物品)を使用することが多いと思います.管理なしには診療は回らず,各施設で工夫がなされていると思います.本項では豊田地域医療センター(以下,当院)でどのように検査機器・物品管理を行っているかを紹介します.…
溝江 篤(藤田医科大学/豊田地域医療センター 総合診療科)
藤田総診の在宅ノウハウを一挙公開!これから在宅医療を始めてみたい医師や,もっと在宅医療を深めたいと考えている医師は必読!スタッフ教育や在宅診療所運営の実際などのリアルな内容も満載!
尾張の国から三河に攻め入り,破竹の勢いで成長を続ける「軍団」がいる.
藤田総診(藤田医科大学総合診療プログラム)のチームだ.
ヴィジョナリーなリーダーに統率されたエネルギッシュなチーム.意欲ある若手たちが個々の存在感を発揮しながら,グループ全体で強い求心力を生み出している.
超高齢化という人口構造の変化に伴い,そのニーズが急速に顕在化しつつあるプライマリケア,その広大なフロンティアを自ら切り開いていく.彼らを突き動かす原動力は,まさに開拓者精神そのものなのだと思う.
在宅医療は,そのフロンティアの重要な一角だ.
複数の疾患や障害とともに生きる人たちを支える.
そのためには,そこで生じる医学的ニーズに包括的に対応できる臨床能力が求められる.
慢性疾患の管理もガイドライン通りにはいかない.その人の心身の機能に加え,生活力や人生のフェイズを加味する必要がある.急変のリスクは高いにもかかわらず,症状を的確に訴えることができない患者も多い.微細なシグナルと限られた臨床検査から,迅速に診断・治療を行わなければならない.
一方で,在宅患者の場合,医療によってその人の疾患や障害が治癒するわけではない.
医療はあくまで手段に過ぎない.大切なのは「生活の継続」だ.加齢や病気の進行に伴い徐々に失われていく心身の機能.限られた条件のなかで,その人にとって最適な選択を支えること,その人が生きる力を最大限発揮できる環境を整えること,そして,医学モデルと生活モデルのバランスをとりながら,その人が大切にしているものを最後まで守りきること.
対話のなかで,その人の価値観を学び,その人にとっての優先順位や判断基準を大切にしながら,最期までその人の人生に伴走する.そこにはコミュニケーション能力という言葉には包含できないスキルが求められる.
そして,在宅医療が提供されるのは病院の外,患者の自宅であり,地域である.
患者の自宅を訪問するというプロセスに加え,病院とは全く異なる医師―患者関係のなかで在宅医療は行われる.そして,それを具体的な支援として機能させるためには,地域の多職種を巻き込んだNet-Workingというよりは,越境的で柔軟性のあるKnot-Workingが求められる.これらは病院におけるチーム医療とは全く異質のものだ.
本書は,彼ら自身の学びと実践の記録であるとともに,これからこのフロンティアに漕ぎ出そうとする若い医師たちへの戦術書でもある.言語化の難しい在宅医療のこれらのニュアンスを,類書にはない具体性をもって網羅している.
ページをめくりながら,彼らがワクワクしながら在宅医療に取り組んできたことを強く感じる.新しいチームを育てる,新しいフレームワークを作る,そして地域に新しい価値を提供する.彼らの情熱に,僕自身も一人のアラフィフ在宅医として喝を入れられたような気がする.まだまだ負けていられない.
『レジデントノート2022年8月号』より転載
佐々木 淳(医療法人社団悠翔会)
「新たに在宅医療をはじめたいが,どこからどのように着手すればよいか」「訪問診療時の日々のオペレーションはどのように行えばよいか?」在宅医療に着手する前や在宅医療に着手後に多くの医療機関が直面する問題だ.これらの解は実践している医療機関こそ独自のノウハウとして保有しており,それが多店舗展開時の貴重なノウハウの一つとなっている.今回,惜しげもなくこれら実践的なノウハウを一冊にまとめた本が発行された.本冊子の特徴は,在宅医療界隈では,訪問診療での治療を中心とした医師向けの冊子や,診療報酬についてまとめた医事向けの冊子が多いなかで,主に患者との接点に焦点をあてて,ケーススタディ的にまとめた点である.冒頭のページから,医療軸と生活軸の違いからはじまり,家族との付き合い方のポイント,家の診かたと続いていくといった具合だ.さらに在宅医療を豊かにする知識・テクニック,訪問診療の業務フロー(かなり詳細),在宅医療における教育,在宅医療の運営が綴られている.また文字が詰まっている冊子が多いなかで,本冊子はわかりやすい紙面構成,写真・図表による解説をふんだんに盛り込んでおり,とても読みやすいのも特徴だ.執筆陣は,当連絡会主催の「第3回ほぼセミナー」で登壇した大杉泰弘 先生や,当連絡会理事の鈴木重良など,まさに在宅医療現場のプロフェッショナルが執筆している.診療そのものや診療報酬詳細については,他冊子の方が詳しいので,併せて読むとよいだろう.ぜひとも手許に置いておきたい本の一冊だ.
石塚秀俊(一般社団法人 日本在宅医療事務連絡会 顧問)
在宅医療という分野にフォーカスしていただいたことがありがたかったです。普段取り組まれていることが言語化されており、わかりやすくまとまっていたことが大変素晴らしいです。
水上直人(医療法人賛永会)
編者のグループが現在の診療体制を構築するにあたって経験した困難を、人的資源、物的資源、周囲の医療機関との調整などの面に分けて記述されていて、わかりやすかったです。
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