ゲノム解析をはじめとしたオミクス研究の発展等により,がん遺伝子または腫瘍抑制遺伝子への遺伝的あるいは後天的変化が発がんをもたらすことや,その後のがん進展の詳細なメカニズムが広く明かされてきた.最近では,このメカニズムを基盤とした画期的ながん治療法も開発されている.しかしながら,こういった治療法はすべてのがん患者やがん種に効果があるわけではない.そこで,がんの罹患自体を予防し,死亡率を減少させる有効な方法として「がん予防」といった概念が改めて注目されている.がんの発生には遺伝的な素因よりも食習慣・喫煙・特定の化学物質への曝露といった環境要因が大きくかかわることが,疫学的な知見によって明かされてきた.近年では,解析技術の進歩等により,これらの疫学的知見に対する分子メカニズムが明らかにされつつある.本特集では,最近の疫学的知見,環境因子とヒト発がんとの関係およびその分子メカニズムの解明に取り組む最新の研究と,がん予防の科学的・社会的側面の現状について紹介する.… 戸塚ゆ加里(国立がん研究センター研究所・動物実験部門) 特集の概論を読む
ゲノム解析をはじめとしたオミクス研究の発展等により,がん遺伝子または腫瘍抑制遺伝子への遺伝的あるいは後天的変化が発がんをもたらすことや,その後のがん進展の詳細なメカニズムが広く明かされてきた.最近では,このメカニズムを基盤とした画期的ながん治療法も開発されている.しかしながら,こういった治療法はすべてのがん患者やがん種に効果があるわけではない.そこで,がんの罹患自体を予防し,死亡率を減少させる有効な方法として「がん予防」といった概念が改めて注目されている.がんの発生には遺伝的な素因よりも食習慣・喫煙・特定の化学物質への曝露といった環境要因が大きくかかわることが,疫学的な知見によって明かされてきた.近年では,解析技術の進歩等により,これらの疫学的知見に対する分子メカニズムが明らかにされつつある.本特集では,最近の疫学的知見,環境因子とヒト発がんとの関係およびその分子メカニズムの解明に取り組む最新の研究と,がん予防の科学的・社会的側面の現状について紹介する.…
戸塚ゆ加里(国立がん研究センター研究所・動物実験部門)
発がんにおいて環境要因は遺伝的素因よりも影響が大きいといわれています.発がん性をもつとされる物質はどのようなメカニズムでがんをもたらすのか? がんの予防を見据えた化学発がんの最新研究をお届けします.
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