行動を司る脳は謎に包まれたブラックボックスであった.しかし,分子生物学の技術の目覚ましい進歩やゲノムシークエンシングの終了に代表されるような知識・データの蓄積などにより,その統合的な理解へ向けて脳研究のラージスケール化の気運が高まっている.本特集では最先端の脳研究のいくつかを紹介するが,今後,分子レベルから行動・疾患レベルまでの研究がいかに統合されうるかをイメージしつつご覧いただければ幸いである.
近年の分子生物学的技術の進歩とゲノムシークエンシングによるデータの蓄積によって,より大規模で統合的に脳のしくみを理解しようとする研究が精力的に進められています.そのなかでも記憶や行動のメカニズム解明に向けた研究は,遺伝子型と表現型を結ぶ機構に迫るだけでなく,精神疾患の発症機構を明らかにするという観点からも大きな注目を集めています. 本特集では,分子生物学的・遺伝学的アプローチによるマウス個体での解析結果を中心に,行動を司る生命機能のメカニズムがどこまで解明されたのか,そして今後どのような研究展開が予想されるのかを,豊富な用語解説を交えながら第一線の研究者にわかりやすくご紹介いただきます.時期・部位特異的遺伝子改変マウスやレスキューマウスを用いた行動解析から,リン酸化が行動へもたらす影響,fMRIを用いた脳の機能・構造解析,統合失調症の関連遺伝子同定など幅広い内容となっています. また本号では,特別インタビュー記事として「国立大学法人化から1年—研究者はどうあるべきか?」を掲載しております.こちらも併せてぜひご一読ください.
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