総合診療はおもしろい!

日本プライマリ・ケア連合学会学生・研修医部会
第26回 学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
実行委員長 五嶋 嶺(名古屋大学医学部医学科6年),吉本 尚(筑波大学附属病院 総合診療科)

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夏の風物詩,夏期セミナー

2017年から予定されている新しい専門医制度において,19番目の基本診療科として総合診療科が加えられることが発表されてから1年余り.「総合診療」という言葉がメディアにも多くみられ,新入学生の中にも「総合診療医になりたい!」という思いを抱いて医学部の門戸を叩く方が見受けられるようになりました.一方で,家庭医療・総合診療に関する卒前教育は大学により差があり,必ずしも学生のニーズを満たしきれていないのが現状です.

日本プライマリ・ケア連合学会の学生・研修医部会では,全国の学生・研修医に家庭医療・総合診療に関する情報の共有や仲間を見つける場をつくりたいと考えており,地方単位で小規模な勉強会を定期的に開催する支部活動と,2泊3日間でみっちり学ぶ年に1回の大型企画「学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー(以下「夏セミ」)」を企画・運営しています.第26回目となる今年は,2014年8月2〜4日に静岡県の湯河原にて開催しました.

本気で楽しみ,学び,交流する3日間

参加者と講師の一体感!(懇親会にて)

夏セミの主な企画は,「そもそも家庭医療・総合診療ってなんだろう」という総論的内容を全員で共有する講演や特別企画,39のテーマからそれぞれの興味に合わせて5つを選択する参加型のセッション,第一線で活躍されている総合診療医と熱く語る「Meet the Experts」,家庭医療・総合診療の後期研修プログラムが多数出展し,具体的に自らのキャリアを考える「ポスターセッション」,参加者や講師と膝を突き合わせて熱く語り尽くす懇親会など盛り沢山です.3日間でエッセンスを感じ,その後の学びへと繋げてもらうと同時に,ともに歩んでいく仲間やロールモデルとなる先人と出会うことで,将来像をより明確にイメージしながら学べる内容となっています.

夏セミでの学びと出会いを力に変えて

今年は「Frontier」というテーマで,過去最大となる約220名の参加者と200名を超える講師が集まりました.また,医学生以外の医療系学生や初期研修医の参加者の増加に伴い,多職種連携の重要性や初期研修医ならではの悩みを共有する場も積極的に企画しました.参加者が講師や他の参加者との交流から多くを学ぶのはもちろん,講師へも学生の情熱が伝わり,かかわった全員に夏セミに参加する意義を強く感じていただいております.ここで生まれた仲間との繋がりは,必ずや自分の将来や明日の医療を変えていく強い原動力となると確信しています.

第27回は2015年8月上旬に開催予定ですので,また多くの参加者とともに大いに学び,大いに語り合うことができれば幸いです.

その患者,CKD併存かも.腎機能を意識した診療できてますか?

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西脇宏樹/編