日本プライマリ・ケア連合学会公式の家庭医療専攻医(=後期研修医)のサポート組織ができました!. 大澤さやか(筑波大学附属病院 総合診療グループ) レジデントノート2017年8月号掲載 所属はレジデントノート掲載当時のものです [SHARE] ツイート 日本プライマリ・ケア連合学会専攻医部会って? 家庭医療後期研修プログラム後期研修医(以下,専攻医)のための会,「専攻医部会」について紹介します. 2016年6年に,日本プライマリ・ケア連合学会(以下,同学会)若手医師部会(2016年5月号Vol.33参照)から発展的に派生する形で発足しました.全国の家庭医療後期研修プログラムに所属する500名を超える専攻医で構成されています.同学会の公的な援助を得ながら,全国の専攻医の仲間たちが繋がり,充実した後期研修が送れるように,また,後期研修終了後のキャリアアップが図れるように,専攻医自らが専攻医のためにサポートを行う組織です. 専攻医が自らの研修をよりよくするためのサポートをする,と聞くと不思議に思う方もいらっしゃるかもしれません.しかし,研修をよりよくするためには指導医や研修施設から自然と与えられるだけでなく,当事者である専攻医が自ら変えていくきっかけをつくっていくことが必要だと感じています.専攻医は所属するプログラムがおのおの違い,置かれている臨床の場が異なることもありますが,日々の悩みや抱える問題は共通している部分も多くあります.同じ経験,悩みなどをもっているからこそ,建設的な意見や斬新な改善のアイディアなども,多くの仲間との議論のなかから生まれてくると思います.システム改善が必要な案件であれば,専攻医が各所属プログラムを超え,同学会に改善のための提言をあげたりすることも可能となります.これは,全国に散らばる専攻医が組織化しないと実施しにくい活動なのではないかと思います. どんな活動をしているの? 専攻医のニーズに合致した活動を展開していくために以下の4つの事業を軸に一歩一歩,活動をはじめています. 第12回若手医師のための家庭医療学冬期セミナーでの専攻医・若手医師 キックオフ・フォーラムの様子 研修支援(日々の研修をより学びの多い有意義なものとする) 専攻医ネットワーク(研修を活性化し,切磋琢磨するためのネットワークを構築する) 連携・交流(各世代を超えて,各専門診療科を超えて,また職種や国を超えて連携交流することで家庭医に必要な多面的な視野,知識,経験を得る場を提供する) キャリア支援(研修中や研修後のキャリアアップをサポートする) 現在は,全国から集まった14名の専攻医が初代専攻医部会幹事として今後の活動の方針や土台作りを行っています. 具体的な活動としては,専攻医自身の生の声を集め発信するために行う専攻医全員対象のアンケート調査の実施や,同学会学術大会で若手家庭医療専門医の先輩方と交流会を合同企画することなどがあります. 今後の活動は? 一人ひとりの専攻医がよりよい研修環境で学ぶことは,家庭医療専門医となった後,臨床,研究,教育の現場で活躍するためにも,大事な助走期間です.全国の専攻医を対象に行ったアンケートの結果も踏まえて,活動を発展させていくとともに,これからも専攻医という当事者の意見を集め,発信していきたいと思います. 全国の専攻医がつながり,切磋琢磨し,研修の質を高め,家庭医として活躍できる土台をしっかりと築く,そんな組織が海外だけでなく日本にもできたら素敵だと思います. 温かい目で見守ってくださる同学会の先生方からのサポートを受け,日本という国のプライマリ・ケア領域を専攻医の立場から盛り上げていきたいと思います.皆さんがもし,家庭医療や総合診療の道に進む際には,ぜひ今後,一緒に活動をやっていきましょう! Come and join us!!