スマホで読める実験医学
550円

液-液相分離による酵素連続反応:細胞内にある代謝の理解

Sequential enzyme reactions by liquid-liquid phase separation: Understanding of metabolism in living cells
浦 朋人,白木賢太郎
Tomoto Ura / Kentaro Shiraki:Faculty of Pure and Applied Sciences, University of Tsukuba(筑波大学数理物質科学研究科)
10.18958/6455-00001-0001180-00

細胞内は混み合った環境であるにもかかわらず,きわめて緻密な酵素反応が混線することなく制御されている.そのため,何らかのしくみで酸素をはじめとする生体分子が集合していると考えられてきたが,その分子機構は明らかでない.近年,生体分子が液-液相分離して形成した液滴(ドロプレット)により,細胞内にある生体分子が時空間的に区画化されることがわかりつつある.細胞内の酵素反応においても,ドロプレットを仮定することで,これまで理解されてこなかった真の反応機構を物理化学的に理解することができるだろう.

ドロプレット,代謝,酵素複合体,連続反応

この記事は有料記事です

(残り約8,500文字)

  • 【スマホで読める実験医学】液-液相分離による酵素連続反応:細胞内にある代謝の理解
    550円