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GLP-1の分泌および作用機序と糖尿病,肥満症治療への普及

Secretion and action mechanism of GLP-1 and its clinical use in the treatment of diabetes and obesity
芳川隼登,三木隆司
Hayato Yoshikawa / Takashi Miki:Medical Physiology, Graduate School of Medicine, Chiba University(千葉大学大学院医学研究院代謝生理学)
10.18958/7555-00001-0001461-00

栄養素の経口摂取時に腸内分泌L細胞から分泌されるglucagon-like peptide-1(GLP-1)は,膵β細胞からのインスリン分泌を増強して食後の血糖調節に働くのみならず,全身のさまざまな組織に発現するGLP-1受容体(GLP-1R)への作用を介してエネルギー恒常性維持に寄与する.わが国では糖尿病治療薬として,GLP-1の分解を阻害するdipeptidyl peptidase-4阻害薬(DPP4i)とGLP-1受容体作動薬(GLP-1RAs)がそれぞれ2009年と2010年に登場した.その後,DPP4iとは異なり,GLP-1RAsには明らかな体重減少効果が認められ,抗肥満薬としての臨床応用が承認された.本稿では,GLP-1の分泌機序と生理作用,そして肥満症へのGLP-1RAs薬の応用について解説する.

GLP-1,GIP,インクレチン,DPP4i,GLP-1受容体アゴニスト(GLP-1RAs)

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