スマホで読める実験医学
550円

細胞運動を電顕でとらえる:クライオトモグラフィー法による運動性繊毛の構造解析

Cellular motion observed by cryo-EM: Structural analysis of motile cilia by cryo-electron tomography
石川 尚
Takashi Ishikawa:Laboratory of Biomolecular Research, Paul Scherrer Institute, and Department of Biology, ETH Zurich, Switzerland(パウル・シェラー研究所,スイス連邦工科大学チューリッヒ校)
10.18958/5607-00001-0001526-00

クライオトモグラフィー法では無染色・氷包埋状態の細胞や小器官を2 nm程度の空間分解能で三次元可視化することができる.われわれは真核細胞の繊毛の三次元構造をこの手法で再構成し,微小管二量体上のくり返し構造とサマリーでは対称性を利用して平均化(サブトモグラム平均)することでダイニン・モータータンパク質や調節タンパク質の局在を明らかにした.さらにサブトモグラムの三次元画像分類を用いてATP加水分解によるダイニンの構造変化を明らかにした.本稿ではクライオトモグラフィー法の技術的背景を解説し,将来の展望も概観する.

クライオトモグラフィー法,三次元画像解析,繊毛,ダイニン,微小管

この記事は有料記事です

(残り約7,600文字)

  • 【スマホで読める実験医学】細胞運動を電顕でとらえる:クライオトモグラフィー法による運動性繊毛の構造解析
    550円