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三次元結晶,単粒子複合解析による膜タンパク質の構造:荷電・プロトン化状態,構造変化・多型を可視化する

Membrane protein structures revealed by a hybrid approach of electron 3D crystallography and single particle cryo-EM: Visualization of charges, structural changes and multi-conformational states
米倉功治,眞木さおり
Koji Yonekura/Saori Maki-Yonekura:RIKEN SPring-8 Center, Biostructural Mechanism Laboratory(理化学研究所放射光科学研究センター米倉生体機構研究室)
10.18958/5607-00001-0001525-00

電子線はX線に比べて,10万倍も強く試料と相互作用する.このことは,X線回折では信号を得ることができない微小な結晶からのデータ測定や,タンパク質一分子の実像の取得に繋がる.また,同じ原子でも電荷を持ったものと中性のものからの散乱は大きく異なるため,試料の荷電状態を反映する構造情報が得られる.以上の特徴を活かして,われわれは,膜タンパク質の膜内機能部位の電荷やプロトン化状態の可視化に成功した.さらに,構造解析が難しかった分子量の大きくないイオンチャネルの構造を,結晶解析と単粒子解析を組み合わせ決定することができた.この解析では,このチャネルタンパク質が採る異なるコンフォメーションの構造も明らかになった.

電子線三次元結晶構造解析,電荷・プロトン化分布,単粒子解析,構造変化・多型

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