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炎症性腸疾患制御の新展開

Current and emerging treatment for IBD
三上洋平,金井隆典
Yohei Mikami /Takanori Kanai :Division of Gastroenterology and Hepatology, Department of Internal Medicine, Keio University School of Medicine〔慶應義塾大学医学部内科学教室(消化器)〕
10.18958/6269-00001-0001600-00

炎症性腸疾患は,欧米諸国はもとより,わが国をはじめとしたアジア各国でも患者数が急速に増加している腸管の慢性炎症性疾患である.近年,分子標的薬の開発により,治療選択肢も拡大しているが,いまだに根本治療が確立していないことに加えて,治療抵抗例,治療に伴う副作用,線維化による腸管狭窄により治療に難渋する症例も多く,さらなる研究と臨床開発の推進が求められている.近年,腸内細菌学の進歩に伴い, 炎症性腸疾患の病態改善をめざして,従来の免疫統御療法とは異なるアプローチが期待されている.

炎症性腸疾患,分子標的薬,腸内細菌,糞便移植

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