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培養腸上皮細胞を用いた粘膜再生療法と再生の分子基盤

Regenerative therapy of intestinal mucosa by primary intestinal epithelial cells and the molecular basis of regeneration
油井史郎,岡本隆一,渡辺 守
Shiro Yui1)/Ryuichi Okamoto1)/Mamoru Watanabe2):Center for Stem Cell and Regenerative Medicine, Tokyo Medical and Dental University1)/Department of Gastroenterology and Hepatology, Tokyo Medical and Dental University2)(東京医科歯科大学統合研究機構再生医療研究センター1)/東京医科歯科大学医歯学総合研究科消化器病態学2)
10.18958/6269-00001-0001601-00

近年の腸上皮研究の進歩は日進月歩であり,このおよそ10年,まさに目を見張る革新的成果が相次ぎ,幹細胞研究そのものを牽引する領域に成長した.われわれのグループは,そのなかでも重要な位置を占めるユニークな数々の成果を報告してきた.本稿ではこの10年の当該研究領域を俯瞰しつつ,われわれの主な研究成果である独自の腸上皮培養方法と,この細胞を利用した世界初となる腸上皮培養細胞の再生医療の開発,さらには培養細胞の特性の解析を通じて明らかになった腸上皮の再生メカニズムとしての「胎児化」について概説したい.

再生医療,スフェア培養法,上皮細胞リプログラミング

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