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飽食の時代の疾患:絶食・再摂食研究からのアプローチ

Diseases of the age of food satiation: Approach from analyses of responses to fasting-refeeding
土肥多惠子
Taeko Dohi:National Center for Global Health and Medicine/Keio University Faculty of Pharmacy(国立国際医療研究センター研究所/慶應義塾大学薬学部)
10.18958/6269-00001-0001597-00

絶食時,消化管は初期状態にあるが,摂食刺激によって劇的な形態の変化および細胞回転を起こし,食物を残さず吸収するための機能を発揮する.この絶食・再摂食に対する応答機構は,消化器疾患のみならず,現代の代謝疾患や免疫疾患の病因・病態研究において重要な問題であるとともに,予防・治療法開発の標的ともなる可能性があり,現在,細胞・個体レベルでメカニズム解明がさかんに進められている.さらに,疾患モデルを用いて,間欠的絶食による炎症や代謝異常の治療効果も報告されており,ヒトへの臨床応用も考えられている.

消化管上皮細胞,細胞回転,絶食,乳酸,エネルギー代謝

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