GeoMx®による全RNAとタンパク質発現のデジタル空間解析

従来のトランスクリプトミクスおよびプロテオミクスの多くはバルクで行われ，組織全体のRNA発現またはタンパク質発現として定量化される．一方で，近年では単一細胞レベルでこれらを解析する技術も利用されるようになってきているが，空間的関係性の情報を失うという欠点がある．単一細胞レベルで空間情報を保持したトランスクリプトミクスやプロテオミクス解析を行うことは，生体分子が遭遇する状況を正確に捉えることができ，正常な生物学的機能や疾患の病態を深く理解するために重要と考えられている．ナノストリングテクノロジー社のGeoMx-DSP（Digital Spatial Profiler）技術は，単一細胞の解像度で組織全体の画像を生成し，数万のRNAまたは数百のタンパク質の高プレックスかつデジタルなプロファイリング解析が可能である．