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環境化学物質による発達神経毒性とDOHaD

Environmental chemicals and developmental neurotoxicity from a DOHaD perspective
木村栄輝,遠山千春
Eiki Kimura1)2)/Chiharu Tohyama3):Center for Health and Environmental Risk Research, National Institute for Environmental Studies1)/Research Fellow, Japan Society for the Promotion of Science2)/Faculty of Medicine, University of Tsukuba3)(国立環境研究所環境リスク・健康研究センター1)/日本学術振興会特別研究員2)/筑波大学医学医療系3)
10.18958/6571-00001-0000898-00

低濃度・低用量の環境化学物質への周産期曝露が,親には顕著な影響を及ぼさないにもかかわらず,子に対しては成長した後にさまざまな毒性影響を引き起こすことがヒトや実験動物において報告されている.本稿では,発達神経毒性をとり上げ,これに関する疫学研究をDOHaDパラダイムの観点から紹介する.次に,発達神経毒性の分子メカニズムについて,ダイオキシンの受容体であるアリール炭化水素受容体の活性化に焦点を当てたわれわれの動物実験の研究について述べる.最後に,農薬などによる経世代影響とエピジェネティクスとのかかわりについても触れる.

環境化学物質,周産期曝露,発達神経毒性,ダイオキシン,アリール炭化水素受容体

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