第1回 科研費が欲しい! 研究費の概要と審査のしくみについて ~
科研費の種類をざっとおさらいしておこう(表).
この連載で対象としているのは基盤研究Cか若手研究Bに応募しようとする読者だと思う.採択件数はこの2つがダントツに多い.応募種目として,特別推進研究は科研費の最高峰としてきわめて厳選されたものだし,また基盤研究と若手研究のどちらのSとAも競争が激しい.これらに申請するにはタイムリーにCNS三大誌に掲載されるとか,あるいはこれまで十分な業績があって,その分野の中心的な研究者とみなされていることが必要だ.また,若手研究には年齢制限があるが,基盤研究には一切ない.
金額的に恵まれているのは新学術領域研究(かっての特定領域研究)だ.これはある決まった研究領域について,中核となる計画研究グループを形成し,それに一般公募班員を加えて研究を行うもの.公募研究は研究費が1年間で300~500万円くらいあり,しかも研究期間が2年間のことが多い.もちろん研究領域が決まっているので,誰でもが応募できるものではないが,自分の研究に合った分野の公募ならば,ぜひ積極的に応募してみるべきだ.
このような科研費のどの種目に応募するかについてだが,年齢と実績によって基盤研究か若手研究から1つと,それに加えて,もし自分の研究に適した研究領域があれば新学術領域研究の公募研究に申請するのが現実的だろう.
※データ・年次などは連載当時のものです.現在とは異なる場合があります
児島将康/著
定価 3,800円+税, 2015年8月発行