微小管はチューブリンとよばれるタンパク質が重合した中空の円筒状線維で,キネシンやダイニンなどによる物質輸送や,紡錘体を形成して染色体分配の足場となるなど,真核細胞においてさまざまな細胞機能を司る.重合端ではダイナミックインスタビリティとよばれる,素早い重合による一過的な伸長と,素早い脱重合による縮退がくり返し生じている.一方で,微小管の中央部は主に13本のプロトフィラメントで構成される規則的なラティス構造をとるため,端部のみが動的であり,中央部は安定で静的な構造と考えられてきた.しかし,この概念は2015年の報告で覆された(Schaedel L, et al:Nat Mater, 14:1156-1163, 2015).
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DOI:10.18958/7309-00004-0000549-00