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Q2. 転写されていないようです…
- A．電源や電極の向きを確認してみよう
- 電源のプラス極，マイナス極を反対にしてしまうと，当然タンパク質はゲルからメンブレンの反対側に移動する．メンブレンとは反対側のろ紙に色素付きマーカーが転写されていないか確認する．
- A．ゲルとメンブレン，ろ紙のサンドイッチの順序を確認してみよう
- 電源のプラス極，マイナス極が正しくても，ゲルとメンブレンの順番を間違うと当然反対に移動してしまう．この場合も，メンブレンとは反対側のろ紙に色素付きマーカーが転写されていないか確認する．
- A．メンブレンの保護用のサポート材を一緒に挟んでいないか確認しよう
- 初心者ではよく発生する間違い．なかには，メンブレンを捨てて保護用のサポート材が本物と思って実験をしてしまった例もある．なおこのような場合，電流が流れず通電トラブルで気が付くことが多い．
- A．転写の際の電流値を目的のタンパク質にあわせて変更してみよう
- 低分子量のタンパク質の場合は，転写条件が強いとメンブレンを抜けてしまうことがある．反対に高分子量のタンパク質の場合は，転写条件が弱いとゲルから抜けにくく，転写されにくい．
転写されてる？ウエスタンブロッティングのQ&A一覧へQ3 転写ムラ
プロフィール
- 森山 達哉（Tatsuya Moriyama）
- 京都大学農学部食品工学科卒．同大学院農学研究科修士課程，博士課程ののち，京都大学食糧科学研究所助手 等を経て2005年に近畿大学農学部講師，2008年准教授．その間，1996年米国スタンフォード大学招聘研究員（１年間）．毎日多くの元気な学生たちと一緒に，食品成分の生理機能性（特に脂質代謝への影響）と安全性（特にアレルゲン性）に関する研究を行っている．基礎研究だけでなく，社会の役に立つ「アウトプット」を意識した研究を進めています．
- ＜著作＞
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- 『バイオ実験で失敗しない！ タンパク質精製と取扱いのコツ』（羊土社，2007）
- 『バイオ実験で失敗しない！ 検出と定量のコツ』（羊土社，2005）
