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Q24. 見えているバンドが目的のタンパク質かどうか心配です!
- A.ポジティブコントロールやネガティブコントロール,ブロッキングペプチドを用いた阻害確認などを行って,バンドが目的のタンパク質のシグナルかどうか検討すれば大丈夫だ
- 特異抗体を用いたからと言って,反応物が100%目的タンパク質かどうかは保証されない.そこで,目的のタンパク質が確実に発現している細胞のホモジネートや,過剰発現させた細胞ホモジネートなどをポジティブコントロールとする.また,逆に発現していないことが確実なサンプルがあればそれをネガティブコントロールとする.あるいは用している抗体のエピトープに相当するペプチドが入手できれば,これを用いて抗体と事前に反応させておき〔抗体濃度の(重量比で)5倍量〕,その後抗体反応を行う.この実験で目的のバンドが特異的に消失・減弱すれば,目的タンパク質のバンドである可能性がきわめて高い.サンタクルズ社の抗体では,対応のブロッキングペプチドが用意されているものも多いので便利である.
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プロフィール
- 森山 達哉(Tatsuya Moriyama)
- 京都大学農学部食品工学科卒.同大学院農学研究科修士課程,博士課程ののち,京都大学食糧科学研究所助手 等を経て2005年に近畿大学農学部講師,2008年准教授.その間,1996年米国スタンフォード大学招聘研究員(1年間).毎日多くの元気な学生たちと一緒に,食品成分の生理機能性(特に脂質代謝への影響)と安全性(特にアレルゲン性)に関する研究を行っている.基礎研究だけでなく,社会の役に立つ「アウトプット」を意識した研究を進めています.
- <著作>
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