- [SHARE]
-
Q33. 定量に最適な検出系のくみ立て方がわかりません…
- A.2種類の異なる蛍光物質にて標識された2種類の二次抗体を用いて,目的タンパク質のバンドと,ローディングコントロールのタンパク質のバンドをそれぞれ異なる波長で検出して比較定量する方法(多重蛍光検出)が最適だ
- この方法の場合,目的タンパク質に対する抗体の動物種と,ローディングコントロールに対する抗体の動物種を別にして(マウスとラビット,マウスとヤギなど),二次抗体もそれぞれの一次抗体に合わせた二次抗体を組合わせて反応させる.2通りの検出波長でのシグナルを擬似カラー表示すれば,目的タンパク質のバンドと,ローディングコントロールのバンドが異なる2色で表示できる.
- A.化学発光で定量する場合は,露光時間を短めにしよう
- やむを得ず化学発光法で定量する場合は,露光時間を短くして(light exposure)シグナルの飽和を防ぐ.化学発光法では弱いシグナルでも長めに露光することにより飽和してしまう.シグナルが飽和すると定量性が損なわれる.
- A.化学発光で定量する場合は,高感度タイプの検出試薬よりも通常感度の検出試薬を原則用いよう
- 高感度タイプの検出試薬の場合,弱いシグナルでも強く増幅されるので,シグナルがすぐに飽和しやすいため,定量には不向きである.
Q32 定量に適した検出法ウエスタンブロッティングのQ&A一覧へQ34 ローディングコントロール
TOP
プロフィール
- 森山 達哉(Tatsuya Moriyama)
- 京都大学農学部食品工学科卒.同大学院農学研究科修士課程,博士課程ののち,京都大学食糧科学研究所助手 等を経て2005年に近畿大学農学部講師,2008年准教授.その間,1996年米国スタンフォード大学招聘研究員(1年間).毎日多くの元気な学生たちと一緒に,食品成分の生理機能性(特に脂質代謝への影響)と安全性(特にアレルゲン性)に関する研究を行っている.基礎研究だけでなく,社会の役に立つ「アウトプット」を意識した研究を進めています.
- <著作>
-