われわれの体の恒常性は,血管による末梢組織における物質交換により維持されている.血管から漏れ出た組織液(リンパ)はリンパ管を介して血管へ還流されることで閉鎖循環系が維持されており,リンパ管の機能不全はリンパ浮腫の原因となる.また,リンパ球(免疫細胞)が循環しているリンパ系は生体防御の場として重要な役割を果たしており,免疫機能のバランスがとれなくなると炎症が引き起こされる.さらに,がんのリンパ節転移は予後不良因子であり,がんの診断・治療においてリンパ行性がん転移機構の解明は急務である.つまり,リンパ系は微小循環と免疫を制御し,リンパ浮腫,炎症,がん転移という疾患に深く関与する重要な全身ネットワークである.近年リンパ学において多くのブレイクスルーが生まれつつあり,本特集ではさまざまな観点から,その最前線を紹介する.
人体の「下水道」として働きつつ,免疫の恒常性を保ち,がん細胞転移の経路となるリンパ系.免疫細胞が体を巡るメカニズム,転移のニッチを作る機構に加え,超微小手術やSN生検など臨床と基礎をつなぐ話題も充実.
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