レジデントノート4月号はすべての臨床医にとっての必須知識でありたしなみである輸液療法を特集しました． 入院が決まれば「点滴はどうしますか」と聞かれることも多いでしょう．絶飲食状態にあるため輸液をすることもあれば，抗生物質や抗ガン剤を投与するために輸液を用いることもあるでしょう． 毎日の生活で今日は水分を何mL飲まなくては，とか，塩分摂取量は何gだ，などと考えなくても，体液量や電解質濃度は正常範囲に維持されます．腎臓が上手に調節してくれているからです．研修医が「適当」に市販の輸液製剤を処方してもほとんどの場合，問題は生じないかもしれません．しかし，術後患者，腎不全，心不全など特殊な病態では輸液や腎生理学の基本を知らないで「適当」な輸液処方をすると，医原性低ナトリウム血症をはじめとする合併症が生じてしまいます． 臨床医である限り輸液は一生ついてまわります．研修の初期に基本的な理論を理解したうえで輸液処方の経験を積んでいけば安全な輸液を処方できるし，電解質異常に遭遇してもあわてることは少ないでしょう．一方，勘と経験とコツだけではいくら数をこなしても進歩はないし，いつか足をすくわれます． 輸液療法には多くのすぐれた教科書がありますが，本特集では病棟で初期研修医がつまずきやすい点をわかりやすく解説し，明日からの診療に役立つような構成にしました．気楽にページをめくっていただき，輸液，電解質の基本事項を身につけてください．そのうえで，迷った症例があれば，指導医とディスカッションしたり，教科書をじっくり読んで理解を深めていってください．
レジデントノート4月号はすべての臨床医にとっての必須知識でありたしなみである輸液療法を特集しました．
入院が決まれば「点滴はどうしますか」と聞かれることも多いでしょう．絶飲食状態にあるため輸液をすることもあれば，抗生物質や抗ガン剤を投与するために輸液を用いることもあるでしょう．
毎日の生活で今日は水分を何mL飲まなくては，とか，塩分摂取量は何gだ，などと考えなくても，体液量や電解質濃度は正常範囲に維持されます．腎臓が上手に調節してくれているからです．研修医が「適当」に市販の輸液製剤を処方してもほとんどの場合，問題は生じないかもしれません．しかし，術後患者，腎不全，心不全など特殊な病態では輸液や腎生理学の基本を知らないで「適当」な輸液処方をすると，医原性低ナトリウム血症をはじめとする合併症が生じてしまいます．
臨床医である限り輸液は一生ついてまわります．研修の初期に基本的な理論を理解したうえで輸液処方の経験を積んでいけば安全な輸液を処方できるし，電解質異常に遭遇してもあわてることは少ないでしょう．一方，勘と経験とコツだけではいくら数をこなしても進歩はないし，いつか足をすくわれます．
輸液療法には多くのすぐれた教科書がありますが，本特集では病棟で初期研修医がつまずきやすい点をわかりやすく解説し，明日からの診療に役立つような構成にしました．気楽にページをめくっていただき，輸液，電解質の基本事項を身につけてください．そのうえで，迷った症例があれば，指導医とディスカッションしたり，教科書をじっくり読んで理解を深めていってください．
臨床現場に出た研修医がつまずきやすい点を中心に，絶対に押さえておきたい輸液の基本をわかりやすく解説．心不全，低Na血症，高齢者など疾患・患者別の対応も学べてすぐに役立つ！研修スタートにオススメの１冊．
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