レジデントノート 2014年3月号 Vol.15 No.18

「主訴+α」で捉える診断学

症例で学ぶ! 先行症状・家族歴・薬剤歴・外傷歴など診断の手がかりになる情報の集め方と活かし方

  • 木村琢磨/編
  • 2014年02月10日発行
  • B5判
  • 180ページ
  • ISBN 978-4-7581-0563-7
  • 2,200(本体2,000円+税)
  • 在庫:なし
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序文(一部抜粋)

最近は,診断推論・臨床推論の考え方を取り入れた診断学の教科書が増え,筆者の医学生・研修医時代に比べ,診療所や病院の一般(総合)外来における外来研修の学習環境は格段に充実したと言えよう.もちろん,外来研修は診断だけが論点ではなく,特に後期研修では,患者の文脈や地域を念頭にマネージメント能力を修得することが求められる.一方,卒前教育や初期研修においては,まず診断を主眼に症例を捉えることが基本であろう.その点,医学生・研修医の方々に接して思うことは,適切な鑑別診断の想起と絞り込みが不十分なことである.

そもそも,診療所や病院の一般外来においては,鑑別診断として想起していない診断名を診断することは,原則,困難である.ベテランの医師は,鑑別診断をひとつひとつ分析的にあげるというよりも,直感的に多くの臨床パターンを思い浮かべつつ,流れるように診断をしている(ヒューリスティック).つまり,診療所や病院の一般外来における診断では,主訴に加え病歴や症状を+α情報として考慮し,頻度あるいは緊急性・重要度の高い組み合わせで捉えることができる,経験知ともいうべき能力をもつことが重要であると考えられる.筆者は,経験で培われると考えられるこの能力を,医学生・研修医が効率よく修得するための1つの鍵は,「主訴に加えて何を+αで捉えるか」を明確にすることであると考えている.そこで今回,主訴に+αの情報を加え診断に活かすことを主眼に,「主訴+αで捉える診断学」という特集を企画した.

鑑別診断の想起のために知っておきたい「主訴と+α情報の組合せ」と,次の一手となる診察のコツを,症例とともに具体的に解説します.先行症状や家族歴,薬剤歴など手がかりとなる情報の集め方・活かし方が満載!

目次

特集

「主訴+α」で捉える診断学

編集/木村琢磨
特集にあたって【木村琢磨】
【総論】
  1. 「主訴+αで捉える診断学」とは何か【木村琢磨】
【各論】
  1. 「主訴+先行症状の病歴」が診断の手がかりとなる病態①〜緊急性の高い病態【鈴木 亮】
  2. 「主訴+先行症状の病歴」が診断の手がかりとなる病態②〜比較的頻度が高い病態【筧 孝太郎】
  3. 「主訴+既往歴・手術歴」が診断の手がかりとなる病態【川口篤也】
  4. 「主訴+家族歴・家族背景」が診断の手がかりとなる病態【坂戸慶一郎】
  5. 「主訴+薬剤歴」が診断の手がかりとなる病態〜診断の落とし穴 隠れた薬に要注意【本村和久】
  6. 「主訴+外傷歴・渡航歴」が診断の手がかりとなる病態【菅野哲也】
  7. 「主訴+社会歴・職業歴」が診断の手がかりとなる病態【飛松正樹】
  8. 「主訴+嗜好歴・生活歴・月経歴」が診断の手がかりとなる病態【新森加奈子】
  9. 「主訴+スクリーニングの血液・尿検査」が診断の手がかりとなる病態【齋藤雄之】
・「主訴+α」一覧

連載

実践!画像診断Q&A-このサインを見落とすな

誘因なく発生した左側腹部痛【荒井 学/田村謙太郎/陣崎雅弘】
息切れを自覚する70 歳代女性【大河内康実/徳田 均】

《特別連載》インタビュー:今、知っておきたい 新しい専門医制度と総合診療専門医

あなたはどんな医師になる? キャリアパスを考えた進路選択【前野哲博】

挑戦する人〜これが私の医きる道

治療法のない難病に再生医療で挑む!【阿久津英憲】

なるほどわかった! 日常診療のズバリ基本講座

もう一度見直したい! 診療情報提供書の書き方【鳥谷部真実/北村 大】

画像診断ワンポイントレッスン Part2

第6回 拡散強調画像の“ツボ”をマスターする!~体幹部での有効な臨床応用のポイント~【泰井敏毅/扇 和之】

教えて! ICU Part2

第6回 酸素療法のいろいろ【早川 桂】

よく使う日常治療薬の正しい使い方

排尿障害と向き合うために〜排尿障害治療薬の正しい使い方〜【上田朋宏】

《最終回》知っておきたい終末期医療

第3回 慢性期医療の現場から〜患者や家族の戸惑い,医師に期待していること〜【三好都子/花木奈央】

臨床の疑問を解決する手段 臨床研究をはじめよう!

第2回 研究デザイン学のススメ【福原俊一/川上浩司】

<エッセイ> 対岸の火事、他山の石

第150回 接遇のノウハウ【中島 伸】

総合診療はおもしろい! 〜若手医師・学生による活動レポート

第7回 ワールドカフェの手法を用いた市民と医療者の対話【孫 大輔】

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  • 【本書名】レジデントノート:「主訴+α」で捉える診断学〜症例で学ぶ! 先行症状・家族歴・薬剤歴・外傷歴など診断の手がかりになる情報の集め方と活かし方
  • 【出版社名】羊土社

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