●はじめに 本特集のテーマ「がん診療〜日常診療と緩和ケアとの狭間を埋めよう」は逆説的です.なぜなら,WHO(World Health Organization)の緩和ケアの定義では対象となる疾患はがんだけに限らず,また近年の研究から「早期からの緩和ケアはQOL(quality of life)を改善するだけでなく生存期間も延長する可能性がある」とされることからも,緩和ケアは患者さんががんと診断された直後から考えられるべきことであり,日常診療とがん患者さんへの緩和ケアに“狭間”などはそもそも存在するべきではないとも考えられるからです. しかし実際のところは,化学療法や放射線療法など日常的にがん診療を行う環境でなければがんに関する知識のアップデートは止まりがちです.「診断はできたとしても,手術などの積極的治療を行う時期と,終末期と考えられる時期との狭間で,実は知らない治療法や知識がたくさんあるのではないだろうか?」という疑問が浮かんだことが本特集を組むきっかけになりました.例えば,「手術はできなくても◯◯◯という治療でQOLが改善する可能性があります」などと,本来は提示すべき選択肢を医療従事者も患者さんも知らないままに,“よいお看取りでしたね”と満足してしまっている例があるのではないか,と危惧したのです. 本特集では患者さんの日常生活やご家族の価値観をじっくりと時間をかけて把握しやすい立場にいる,プライマリ・ケアに従事している方にこそ実践してほしい考え方や知識をまとめるとともに,緩和ケアを取り巻く潮流にも一石を投じたいと感じ,項目を厳選しました. (後略)
本特集のテーマ「がん診療〜日常診療と緩和ケアとの狭間を埋めよう」は逆説的です.なぜなら,WHO(World Health Organization)の緩和ケアの定義では対象となる疾患はがんだけに限らず,また近年の研究から「早期からの緩和ケアはQOL(quality of life)を改善するだけでなく生存期間も延長する可能性がある」とされることからも,緩和ケアは患者さんががんと診断された直後から考えられるべきことであり,日常診療とがん患者さんへの緩和ケアに“狭間”などはそもそも存在するべきではないとも考えられるからです.
しかし実際のところは,化学療法や放射線療法など日常的にがん診療を行う環境でなければがんに関する知識のアップデートは止まりがちです.「診断はできたとしても,手術などの積極的治療を行う時期と,終末期と考えられる時期との狭間で,実は知らない治療法や知識がたくさんあるのではないだろうか?」という疑問が浮かんだことが本特集を組むきっかけになりました.例えば,「手術はできなくても◯◯◯という治療でQOLが改善する可能性があります」などと,本来は提示すべき選択肢を医療従事者も患者さんも知らないままに,“よいお看取りでしたね”と満足してしまっている例があるのではないか,と危惧したのです.
本特集では患者さんの日常生活やご家族の価値観をじっくりと時間をかけて把握しやすい立場にいる,プライマリ・ケアに従事している方にこそ実践してほしい考え方や知識をまとめるとともに,緩和ケアを取り巻く潮流にも一石を投じたいと感じ,項目を厳選しました.
(後略)
そのがん緩和ケア,ちょっと待った!化学療法・放射線療法の選択肢は考えましたか?本当のACPを実践できていますか?実は知らずにすませてしまいがちな治療法や知識を解説!がん診療の知識のアップデートに!
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第14回 どのような患者さんに,どの抗認知症薬を処方すべき?【内門大丈】
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第3回 体重増加不良のとき,ミルクを足すべき? 母乳育児を希望していたら…?
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第14回 プロフェッショナリズム ~「つらかった」で終わらせず,何度も省察して向き合う~
【中村奈保子,松下 明】
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