じぇねたま 〜家庭医療・総合診療に興味のある初期研修医のためのwebふりかえり 村山 愛(君津中央病院 総合診療科) レジデントノート2017年10月号掲載 所属はレジデントノート掲載当時のものです [SHARE] ツイート 初期研修中も総合診療の継続的な教育を 日本プライマリ・ケア連合学会の医学生・若手医師支援委員会では,家庭医療・総合診療(以下,ジェネラル)に関心のある初期研修医を対象に「じぇねたま〜家庭医療・総合診療に興味のある初期研修医のためのwebふりかえり」(以下,じぇねたま)を開催している. ジェネラルに興味のある学生・初期研修医にとって,家庭医療専攻医・専門医はロールモデルとなりうるが,その数はまだ少なく,初期研修中に身近で見つけることは難しい.また,初期研修医は,学生のときと比べ気軽に施設外の勉強会に参加しづらく,より自分のイメージするキャリア像に合った若手医師と出会いにくい.そのため学生時代はジェネラルに興味があっても,初期研修中に相談する相手がおらず,断念するという話も聞く.そこで実際に会うことができなくても,web上で家庭医療専攻医・若手家庭医などと継続的に振り返りをすることで彼らの初期研修生活の一助となり,進路相談にものることができるのではないかと思い,われわれは活動している. <開催概要>【日時】毎月第3 or 4水曜日,21:30〜22:30【手法】googleハングアウト【流れ】参加希望の初期研修医(以下,参加者)のほか,家庭医療専攻医や若手家庭医など(以下,アドバイザー)が2名以上参加する.全員で自己紹介の後,1人ずつ1カ月の振り返りをする.内容は基本的には自由だが,研修科での目標や,できたこと,できなかったこと,学んだこと・感じたこと,今後学びたいことなどを意識して話してもらう.その後,ほかの参加者・アドバイザーがコメントする形で対話を進める.初参加の方は見学だけでも構わない.対話の時間を含め,ひとりの振り返りは約20分間.人数が多い場合は,会場を2つに分けて行う.参加者には議事録をgoogleドキュメントで共有する.振り返りは事前に考えておくとより深い省察になるが,事前準備なしでも問題なく参加可能である. キャリア選択にも活きる振り返り初期研修をよりよいものへ じぇねたまイメージキャラクター 2015年から活動し,今年で3年目になるが,過去の参加者からは,「自分で振り返りをしようとしてもなかなかできない」「他の病院の初期研修医がどんな研修をしているか知ることができた」「後期研修を意識した助言をもらえた」など好評である.途中で他科を希望すると決めたとしてもこの会の参加資格を失うわけではなく,引き続き参加可能としている.よい研修生活を送り,よいキャリアを描いてもらうことがわれわれの願いでもある.アドバイザーのなかには(じぇねたま卒業生で)小児科後期研修中の方もいる.彼も初期研修医のときはジェネラルか小児科か悩んでいた.ジェネラルを深く学んだことが今に活きており,ジェネラルを目指す人を支援してくれている.アドバイザーは卒後3〜12年目と幅広い年代がおり,この会だけに留まらないメンターに出会えるかもしれない. ご質問・参加希望の方はfacebookグループ「じぇねたま」にリクエスト,または日本プライマリ・ケア連合学会学生・研修医部会ホームページより公式メーリングリストにアクセスください.