このコーナーでは,本誌コーナー「ただいま後期研修中!」の一部をお読みいただけます.内容は掲載時のものです.
私は卒後4年目の医師で2011年7~12月の6カ月間,近森病院神経内科にて短期研修を行っています.今回はその報告をしたいと思います.
以前より興味があり,家庭医研修のエレクティブとして神経内科で研修をしたいと考えていました.同病院が高知県内を一手に急性期から慢性期までケアしており,自ずと症例が集まってくること,診断治療に特化せず,難病病棟構想があるように長期的な管理にも注意を配っており,在宅診療にも造詣が深いため,家庭医の日常診療とかなり重なるところがあり,研修施設として非常に良質な条件が整っていると考え,研修させていただくこととしました.
↑後方左端が筆者,後方右端が山崎神経内科部長,真ん中が葛目神経内科科長です.前列左端が橋本医師,中央が浦田研修医,右端は大学実習生です.
病棟業務では,脳血管障害を中心に神経疾患のありとあらゆるものを担当させてもらっています.実際には膠原病や血液疾患を取り扱うこともあり,内科冥利につきると言っても過言ではありません.病歴,診察,専門検査への一定の流れを学び,毎朝プレゼンテーションを行い,その都度,フィードバックを受けています.私ども非専門医の弱い脳波,筋電図等の専門的検査の解釈も指導いただいております.
同院は専門科の垣根が非常に低く,高齢者のケースは疾患を複数もっていることも多く,非常にコンサルテーションしやすい環境にあり,専門的知見が聞けることも非常にためになります.また,病院一丸で研修に対する理解があり,徳島大学神経内科や静岡てんかんセンターへの出張の機会も得ました.また,学会発表の機会もいただきました.
人によって学習スタイルは違うとは思いますので一概には言えませんが,すぐにフィードバックが得られ,病院ぐるみで研修に協力的な病院を選ばれるのがいいと思います.研修は1人ではできませんので,いかに周りからサポートしてもらえるかも研修が成功するかどうかの要素になろうかと思います.近森病院はそういった条件をすべて兼ね備えていると思います.興味をもたれた方はぜひ見学にいらしてみてください.きっと,高知のお酒で歓迎してくれると思います.
2012年1月号掲載
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